デカケツの話をしよう

 マジック・ザ・ギャザリング(以下ギャザ)にはタフネスがパワーに比べて高いクリーチャーのことを「尻が大きい」、言い換えればデカケツとする概念がある。

 古くは《古石の神古石の神古石の神》のことをBig AssとかBig Buttと呼んだり、《勇士の決意勇士の決意勇士の決意》をfat pantsと呼んだことからきているらしい……ってMTGWikiに書いてありました。

 ギャザのルールではダメージを与えるに際しパワーの値を用いるためケツだけがでかいことにあまり意味はない。せいぜい、相手のクリーチャーと殴りあって死ににくくなるくらいである。初心者はこの戦闘で死ににくいという特性に惹かれやすいらしくタフネスの高いクリーチャーを選びがちという話をどこかで見たことがあります。

 ギャザは対戦相手のライフを0にするゲームであるため極端な話、20/1のクリーチャーと1/20のクリーチャーは攻撃が通れば勝ちの前者の方が圧倒的に強い。いくら戦闘で死ににくかろうとパワー1のクリーチャーで20回も殴ることはほぼ不可能なので当然である。タフネス2のクリーチャーが出てこようものなら一生ブロックされるから勝てもしないぞ。

 ただギャザは基本のルールをカードのテキストがぶち壊していくデザインのゲームで、普段常識だと思っているルールを覆すカードは定期的に印刷される。その流れの中で1/20みたいなデカケツで勝てたら楽しいよなあ?! とデザイナーが考えたことがあったらしく、その結果生まれたのが《包囲の塔、ドラン包囲の塔、ドラン包囲の塔、ドラン》である。

包囲の塔、ドラン
包囲の塔、ドラン

 この《包囲の塔、ドラン》は各クリーチャーをケツバトラーにする能力を持ち、デカケツであればあるほど与えるダメージが大きくなる。ギャザのデカケツのカードは査定がゆるゆるでコストが低く色拘束も弱いのにやたらタフネスの高いやつが多いので、ドランと組み合わせることでマナコストから見るとやたらパフォーマンスの良いクリーチャーになってくれる。

 このデカケツ歓喜のケツバトラー能力はいつからかメカニズムとして昇華されていてコマンダーでデッキを組むのに困らない程度の選択肢が現在存在する。

 そこで今回はこのメカニズムの話をしていこうと思います。みんなで広げようデカケツの輪。

ケツバトラーとは

爆笑必至!お尻を振って2人で戦う対ケツアクション!「ケツバトラー」はコロコロコミック×面白法人カヤックが送る爆笑対ケツアクションゲーム!Joy-Con™をズボンのお尻(ケツ)にセットして振ると、画面の中のケツバトラーも動きに合わせて剣を振る!相手の頭にヒットさせて勝利せよ!参戦する6人のケツバトラーは、それぞれ異なる個性を持つ!ケツをふりまくってケツ気をチャージし、強力な「ケツ奥義」で圧倒せよ!

Nintendo Store「ケツバトラー」より引用

 ――と、デカケツをケツで殴らせることがケツバトラーと呼ばれるようになった元ネタの話はさておき、ギャザのルールでのケツバトラーは『パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る』状態であることを意味する。この状態のクリーチャーは文字通りタフネスで戦うケツバトラーになるので、1マナ0/4のクリーチャーが4/4のクリーチャーと同じダメージを与えだす。1マナで4/4はギャザの歴史でもあんまり見ないから強いんじゃないかな⁉

 他にも2マナ0/8とか8マナ0/30とかデカケツだけどパワーは一切ないみたいなクリーチャーがクソデカダメージを出せるようになるのが楽しいぞ。

 MTGアリーナではこのケツバトラー状態に「重厚」という名称がつけられておりこっちの名称で呼んでいる人も稀にいます。アリーナのカードだと《ドランの樹皮ドランの樹皮ドランの樹皮》がアンコモンのケツバトラーカードなので(ワイルドカードの消費的な意味で)比較的簡単に重厚の文字が確認できるぞ。みんなも重厚の文字を確認して「こんな表示があったのか……」とたまげよう。

 このケツバトラー状態に関して真っ先に覚えることは「タフネスを参照するのは戦闘ダメージ限定」ということだ。絆魂や感染のように発生源のダメージ全般の与え方を変更する能力ではない。そのため格闘などのパワーを参照する効果でダメージを与える場合はパワーを参照する。そのためパワーの高いクリーチャーと格闘を行う場合、通常は一方的に討ち取られるし、ケツバトラー状態で《カメ式タックルカメ式タックルカメ式タックル》を撃っても参照するのはパワーなので+0/+10修整は宝の持ち腐れだ。悲しいね、ドラージ。

カメ式タックル
カメ式タックル

 ちなみにMTGアリーナだと戦闘ダメージをタフネスの値で与えるということを視覚的に分かりやすくしようと戦闘中にパワー側の数値がタフネスの数値に変更されて上昇しているように見えるという罠がある。だから重厚の表記が必要だったんですね。見た目パワー0のケツバトラーがダメージを与えてくると初心者がびっくりしてしまうという理由からだろうが、逆にそれのせいで混乱していると思わしき人も見ます。ごめんね……パワー4以上に見えるけど4じゃないの……パワーは上がってないの。

 戦闘ダメージでしかタフネスで殴れないのは割とクソデカ欠点なんだけど、この部分を丁寧に説明するとコマンダーの場合はヤバくなさそうだなと思ってもらえるのでその点はいいよね……いい……。コマンダーは、まさはる!

 他にもキーワード能力ではなく「使嗾されている」と同じ”状態”に分類されるのでクリーチャーをケツバトラーにしている惡月的なやつ以外の能力を失わせても変わらずケツで殴るとか、カードごとにケツバトラーにする影響範囲が微妙に違うとか、いろいろあるんですけど、そういうのは割愛します。詳しく知りたい場合はMTGWikiの重厚の項目見ればいいと思うヨ。

ケツバトラーになろう

 クリーチャーをケツバトラーにするカードを統率者にしたデッキを組んで君もケツバトラーになろう!

 実は最近WotCリニンサンが結構ケツバトラー向けのカードを印刷してくれているので乗るしかない、このビッグウェーブに。《キャプテン・アメリカの盾キャプテン・アメリカの盾キャプテン・アメリカの盾》って革命なんだ!

キャプテン・アメリカの盾
キャプテン・アメリカの盾

 ちょっと前まで全然供給がなかったのに最近急に増えた(特に本流のセット)のでシアトルのWotC本社に惡月によってケツバトラーにされた社員が存在すると思われる。このまま自分のブログでDoranをDosanって誤字したマローもケツバトラーにしてくれ。Dosanはドランじゃなくて落葉の道三落葉の道三落葉の道三ですよマロー!11!!!デカケツでもないしケツバトラーでもないぞ!!!1!!

落葉の道三
落葉の道三

 でもケツバトラーだけの世界は楽しくないかもしれないな……お尻と同じでケツバトラーとそれ以外の2つがないとな。

 コマンダーで最近人気のケツバトラー統率者は《不動なるフェロザー不動なるフェロザー不動なるフェロザー》ってやつです。カードを引く能力があって3色なので丸いのが人気の秘訣。《地獄の樹地獄の樹地獄の樹》と《解放の樹解放の樹解放の樹》とかいうケツバトラーになるために生まれてきたカードが使えるのも大きい。ケツバトラーの中では世の中に出ているデッキリストの数が多いので、まずはコレ!

 ケツバトラー向けのカードは大抵安いし変なカードばっかりなのでジョニー的気質の「」とか、としあきはお手元に1つくらい、いかがでしょうか。尻解放!